今最高のイタリアワイン!ガンベロロッソのトレビッキエーリを解説!

世界には、数多くのワイン評論誌が存在します。
権威がある雑誌やコンクール、評論家によって高く評価されたワインは世界中で注目され、場合によってはその生産者の人生を大きく変化させることすらあるようです。
そんな中、イタリアワインにおける最高の評価基準として知られているのが、ガンベロロッソのトレビッキエーリ。
一体、トレビッキエーリとはなんなのか、ここで簡単に解説していきましょう。
トレビッキエーリの基本情報について
トレビッキエーリの基本情報について下記の内容にまとめました。
・トレビッキエーリとは?
・ガンベロロッソについて
・ガンベロロッソのワイン評価が信頼される理由
それぞれ解説します。
トレビッキエーリとは?
トレビッキエーリとは、イタリアの料理やワインの雑誌を出版するガンベロロッソ(Gambero Rosso®)のイタリアワインの評価基準における最高評価のことです。
その影響力は凄まじく、トレビッキエーリを受賞することで世界中に一流のワインとして認識されます。
トレビッキエーリは、イタリア語における「tre bicchieri(3つのグラス)」を意味しており、実際の評価はトレビッキエーリを最高位として三段階で構成されています。
・ウン・ビッキエーレ
・ドゥエ・ビッキエーリ
・トレ・ビッキエーリ
ビッキエーレはイタリア語でグラスを意味していることから、1つのグラス評価「ウン・ビッキエーレ」、2つのグラス評価「ドゥエ・ビッエキーリ」、3つのグラス評価「トレ・ビッキエーリ」といった評価となります。
ちなみに、2002年にトレ・ビッキエーリに最終的に選ばれなかった2つの赤いグラスといった評価も導入されました。
トレビッキエーリは毎年発表されているものの、一度獲得したワインはより審査が厳しくなることで連続受賞できるワインは少なく、それもまた生産者のモチベーションに繋がっていると考えられています。
また、「リストランティ・ディタリア」においては、最高のイタリア料理レストランが記載されており、最高のレストランを1から3つの「フォーク」で評価が行われているようです。

ガンベロロッソについて
ガンベロロッソは、1986年にステファノ・ボニッリによって創業した、イタリア料理およびイタリアワインの雑誌や出版、テレビ放送局などを持つエノガストロミーのジャーナリストが集まっている団体です。
ガンベロロッソは「赤いエビ」を意味する言葉ですが、トスカーナのレストランが名前の由来だと言われていたり、「ピノッキオ」に登場する架空のレストランが由来など、未だその由来は判明していません。
ガンベロロッソの発行する、「リストランティ・ディタリア(Ristoranti d'Italia)」と「ヴィーニ・ディタリア(Vini d'Italia)」はイタリア料理とイタリアワインにおける最高権威のあるガイド本として知られており、愛好家またはプロ必携の参考書として扱われています。
「ヴィーニ ディタリア」の初版は1988年版で、1987年に試飲を行った上で発売されましたが、短期間で大きな影響を与える存在となりました。
その後、料理ガイドや月刊誌としての『ガンベロ・ロッソ』の発行、ガンベロ ロッソ チャンネル、デジタル版ガイドやアプリなど、現在も幅広い分野で発信を続けています。

ガンベロロッソのワイン評価が信頼される理由
イタリアには数多くのワイン評論誌が存在しますが、中でもガンベロロッソが最も信頼されている理由があります。
まず味わいだけでなく生産者の歴史や哲学などが詳細に記載され評価軸になっていること、ワインスタイルに関連せずに公表に評価されていること、価格の高い安い関連せずに評価するといったところだと言われているようです。
正当な評価を続けてきているガンベロロッソだからこそ、トレ・ビッキエーリを獲得したワインはかたちではなく、本物として扱われているのでしょう。
評価の流れや基準について
ガンベロロッソの「ヴィーニ・ディタリア」におけるワイン評価は、どのような流れで行われているのでしょうか。
また、トレビッキエーリに選ばれるワインには基準があるのか、下記で解説していきます。
評価の流れについて
ガンベロロッソのワイン試飲は4月後半から8月にかけてイタリア各地方で行われ、数万本を超えるワインの中から最終的に1500種ほどのワインが最終試飲として評価されます。
ウン・ビッキエーレ、ドゥエ・ビッキエーリ、ドゥエ・ビッキエーリの色付き、トレ・ビッキエーリといった形でワインが評価されますが、ほかにも「最優秀葡萄栽培家」などの評価もあるようです。
また、これら評価もあります。
・センツァ・ビッキエーリ(グラスなし、中程度の適性ワインといった評価)
・星印付ワイナリー(トレ・ビッキェーリを10回以上受賞したワイナリー)
・アスタリスク付ワイン(コストパフォーマンス抜群なワイン)
「ヴィーニ・ディタリア」では、1年をかけて専門チームがイタリア国内のワイナリーを回りワインを選定しています。
ワイン生産者たちにとっても、「ヴィーニ・ディタリア」でトレ・ビッキエーリと評価されることは誇らしいことでしょう。
トレ・ビッキエーリは新進気鋭のワイナリーにとっては憧れの目標、そして老舗ワイナリーにとっては品質を維持するために守りたい評価。
数万種のワインから500程度しか選ばれない、まさにイタリアワインの最高峰がトレ・ビッキエーリなのです。
2023版について
36版となる最新の「ヴィーニ・ディタリア 2023」では、2,626のワイナリーの25,421アイテムのレビューが掲載されています。
編集者のマルコ・サベリコ氏、ジャンニ・ファブリツィオ氏、ジュゼッペ・カルース氏が率いる70名以上の専門家チームによって制作されており、さまざまな言語に翻訳され配布されているため、日本語でも読むことが可能です。
ちなみに今回レビューされた25,421アイテムの中で最終審査に残ったのはわずか2,093アイテム。
さらに、トレ・ビッキエーリを獲得したのは455アイテムでした。
トレ・ビッキエーリは全体の約2%しか獲得できていないと考えると、やはり狭き門であることがよく理解できる数字です。
おすすめワイン
ガンベロロッソの「ヴィーニ・ディタリア」にて高く評価されたイタリアワインは、信頼に値するクオリティであることは間違いありません。
ここでは、高く評価されているイタリアワインを紹介していきます。
ぜひ、自店のワインリストに加えてみてはいかがでしょうか。

Pieropan Soave Calvarino ピエロパン ソアヴェ カルヴァリーノ
イタリア国家統一の前年、1860年まで歴史を遡ることができる「ピエロパン」。
町の北東部分に広がるソアーヴェ・クラッシコ地区の中心部を所有している、名門ワイナリーです。
2018年に急逝したレオニルド・ピエロパン氏の祖々父にあたるレオニルド・シニアがこの地に本格的にワイナリーを設立。
そのワインは世界的にも高く評価されています。
「”カルヴァリーノ” ソアーヴェ・クラッシコ」は、ガルガネガ70%、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ30%から構成されたソアーヴェ地区の象徴的なワイン。
黄緑がかった薄い麦藁色ながら、熟成を経て黄金色へと変化する外観が魅力的です。
ハーブやレモン、サクランボ、花のアロマ、フルーティーな風味と繊細かつ複雑な味わい。
バランスの取れたストラクチャーと長い余韻を楽しめます。

Umani Ronchi Plenio ウマニロンキプレニオ
1955年にジーノ・ウマニ・ロンキ氏によって設立されたワイナリー、「ウマニ・ロンキ」。
現在はマルケ及びアブルッツォワインの発展にファミリーが一丸となって力を注いでおり、マルケ州を代表する土着品種ヴェルディッキオやモンテプルチアーノを中心に、優れたワインを多数生み出す名門として知られています。
「“プレーニオ” カステッリ・ディ・イエージ・ヴェルディッキオ・リゼルヴァ・クラッシコ 」は、ヴェルディッキオの持つポテンシャルを導き出した偉大な1本。
12ヶ月シュール・リーの状態で熟成後、さらに6ヶ月瓶内熟成させています。
熟したフルーツやバニラ、リンゴやアーモンド、長い余韻など、複雑さと華やかさを両立させた魅力あふれるワインです。

Velenosi Roggio del Filare Rosso Piceno ヴェレノージ ロッジョデルフィラーレ
スタンダードからトップクラスまで、すべてのワインが「高品質」と称される、イタリアワインの至宝「ヴェレノージ」。
資金もワインづくりの知見、さらに当時は無名であった産地だったことから、成功を掴むまでに大変な苦労があったことで知られているワイナリーです。
自分が造りたいスタイルに合わせるのではなく、ワインが語りかける声に耳を傾け、ワインの個性に沿った造りを心がける真摯なワインづくによって、今重要な生産者として成長を遂げました。
ヴェレノージが手がける、「ロッソ ピチェーノ スペリオーレ ロッジョ デル フィラーレ」はモンテプルチャーノ70%、サンジョヴェーゼ30%から構成された赤ワイン。
さまざまなベリーをミックスしたような複雑で上品なアロマ、しっとりした果実の深い味わいとエレガントな深みを感じさせる魅力的な1本です。
12年連続トレビッキエーリ受賞している、偉大なワインとしても知られています。

San Marzano Collezione サンマルツァーノチンクワンタ
プーリアの南側に位置するワイナリー、「サン・マルツァーノ」。
南プーリアの土壌は赤土で石灰質の豊富な土壌で、ブドウの生育に非常に適した土壌としても知られています。
サン・マルツァーノでは一部にギリシャ、古代ローマ時代から続く昔のままの仕立てを行っており、必然的に手摘み収穫となる手間のかかるブドウ栽培を行なっていることでも有名です。
「コレッツィオーネ・チンクアンタ」は、ネグロアマーロとプリミティーヴォを50%ブレンドした1本で、既成概念に囚われない自由な発想からつくられています。
ヴィンテージを跨ってキュヴェをブレンド。
ブラックベリーやプルーンの様な果実味、スパイス、バニラや甘草を感じ、ボディは骨太ながら長い余韻を楽しむことができます。
まさに規格外。
そんな表現が似合うワインです。
まとめ
イタリアワインを購入する際、どんなものを選べば良いか悩む方は多いでしょう。
そんな方は、まずガンベロロッソが選ぶトレビッキエーリを試してみると良いかもしれません。
伝統あるワイン評論誌が選ぶ、今最も素晴らしいイタリアワインがトレビッキエーリです。
ぜひ、本記事を参考にトレビッキエーリを獲得したワインをチェックしてみてはいかがでしょうか。