トスカーナは赤だけじゃない!白ワインの魅力を解説!


イタリアワインと聞いて、「トスカーナ」を想像する方は多いでしょう。

その知名度を牽引しているのは紛れもなく、キャンティで、ワインショップや百貨店、スーパーはもちろん、今やコンビニエンスストアでも手に入れることができるイタリアワインのひとつとなっています。

 

トスカーナは有名赤ワインの宝庫ですが、じつは魅力的な白ワインも多く存在しています。

本記事では、トスカーナの白ワインの魅力を解説していきましょう。



 

 

トスカーナについて

 

トスカーナの白ワインに触れる前に、簡単にトスカーナの基本情報について解説します。

 

・トスカーナにおけるワインの歴史

・トスカーナは赤ワインがメイン

 

それぞれ解説しましょう。

 

トスカーナにおけるワインの歴史

 

トスカーナは、ラツィオ州北部に位置するワイン産地です。

丘陵地帯が多く、ブドウのみならず数多くの作物が栽培されている資源豊かな州としても知られています。

 

トスカーナは、1865年から1870年までイタリア王国の首都として存在した歴史から、ワインのみならずイタリアの歴史にとっても重要な場所です。

1716年には同地を治めていたコジモ3世によってキャンティに線引きが行われるなど、古くから上質なワインを生産していた産地として有名。

 

世界的に有名なDOCGはもちろん、スーパータスカンを生み出したことでIGTの格付けからDOCに昇格したトスカーナ西部のボルゲリ・サッシカイアなど、話題に事欠かさないイタリアワインきっての重要産地です。

 



トスカーナは赤ワインがメイン

 

「トスカーナ産ワイン」と聞くと、多くの方は「赤ワイン」を想像するかもしれません。

冒頭でお伝えしたように、日本国内にはトスカーナを代表する赤ワイン「キャンティ」が多く販売されていますし、トスカーナのほかのDOCワインもほとんどの赤ワインがショップには揃えられています。

 

「たまたま日本で知られていないだけ」と思うかもしれませんが、トスカーナのワイン生産量約200hℓ85%は赤ワインであり、日本のみならず世界中で、トスカーナは赤ワインの産地として認識されているのです。

また、トスカーナのDOCGワインを見るとより赤ワインが豊富であることがわかります。

 

・ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(赤)

・カルミニャーノ(赤)

・キャンティ(赤)

・キャンティ・クラシコ(赤)

・エルバ アレアティコ パッシート(赤)

・スヴェレート(赤)

・モレッリーノ ディ スカンサーノ(赤)

・モンテクッコ サンジョヴェーゼ(赤)

・ブルネッロ ディ モンタルチーノ(赤)

・ヴァル ディ コルニア ロッソ(赤)

・エルバ アレアティコ パッシート(赤)

・ヴェルナッチャ ディ サンジミニャーノ(白)

 

これだけのDOCGを持つトスカーナの中で白ワインのDOCGが「ヴェルナッチャ ディ サンジミニャーノ」のみであることから、トスカーナの赤ワインがどれだけ有名なのかがわかるのではないでしょうか。


 

(Ricasoli社WEBから)

 


トスカーナの白ワイン

 

トスカーナの白ワインについて下記の内容にまとめました。

 

・トスカーナの白ワインの魅力

・主な白ブドウ品種

 

 

(Colle Masari社WEBサイトから)




トスカーナの白ワインの魅力

 

これだけ赤ワインが有名な産地として知られていると、トスカーナの白ワインは品質が低いと思ってしまう方も出てくるかもしれません。

しかし、トスカーナの白ワインの品質の高さはイタリア国内、そして海外のワイン愛好家たちにも広く知られています。

 

そもそも、DOCGにほとんど白ワインがない一方、DOCIGTなどには白ワインが認められているものが多いため、赤ワイン以上に自由なワインづくりが可能です。

土着品種からつくられる白ワインはもちろん魅力的ですが、国際品種の生産量も増えており、トスカーナらしい独自の白ワインも多く見受けられます。

 

また、一部の白ワインは別ですが、全体的にコストパフォーマンスが高いところも魅力です。

お手頃な価格で高品質な白ワインを手にすることができるため、ワイン愛好家や飲食店などはチェック必至といえるでしょう。

 

産地のテロワールを意識したナチュラルなつくりの白ワインもあれば、伝統を重んじた白ワイン、実験的な白ワインなど、トスカーナであれば幅広いスタイルの白ワインに出会うことができるのです。

 

主な白ブドウ品種

 

トスカーナで栽培されている主な白ワインを紹介します。

 

ヴェルナッチャ

 

ヴェルナッチャは、サン・ジミニャーノ周辺で栽培されている白ブドウです。

ヴェルナッチャは、爽やかな酸を持つ品種で、青リンゴや柑橘、セージやドライフラワーなどフレッシュなアロマを持っています。

 

ミネラル感をしっかりと感じることから、骨格をしっかりと感じられる素晴らしい白ワインを生み出す品種です。

また、熟成させるとハチミツなど甘いアロマを放ち、口当たりもまろやかで非常にリッチな印象になります。

 

ヴェルメンティーノ

 

サルデーニャ島で有名なヴェルメンティーノですが、トスカーナの海岸地帯でも栽培されています。

花や果実のアロマ、フレッシュな酸が特徴です。

とくに上質なものはグレープフルーツを思わせる柑橘のフレッシュな香りを持ち、海岸地帯であることから、塩味、ミネラル感を感じる味わいも楽しめます。

 

海鮮系の食事と大変良い相性を示すため、日本人にも好まれやすい白ワインといえるでしょう。

 

トレッビアーノ

 

イタリアで広く栽培されているトレッビアーノは、トスカーナにおいても主要の白ブドウ品種とされています。

 

柑橘やハーブといったフレッシュなアロマと軽やかな口当たりが特徴で、後味にはほのかな苦味を感じるところが特徴です。

ただし、アロマの量はそこまで多くないためトスカーナでは、ブレンド用に使用されることが多く、キャンティへのブレンドも許可されています。

 

トレッビアーノは、じつは晩熟であることから、収穫期の変化によっていろいろなスタイルの白ワインを生み出すことでも有名です。

 

マルヴァジア

 

マルヴァジアもイタリア国内で広く栽培されているブドウですが、トスカーナの主にキャンティで広く栽培されています。

 

甘口ワインであるヴィン・サントに使用される白ブドウで、辛口ワイン、トレッビアーノとブレンドされるなど幅広い用途が特徴です。

辛口ワインはリンゴや洋梨、花など華やかなアロマを持ち、酸もほどよく豊富であることからフレッシュな味わいを楽しむことができます。

 

一方、ヴィン・サントは陰干ししたブドウを使用することから、キャラメルやハチミツなどのリッチなアロマ、まろやかな口当たりが特徴です。

 

La Lastra社WEBサイトから)

 


知っておくべき白ワイン

 

トスカーナには、さまざまな白ワインがあります。

その中でも、知っておくべき白ワインを下記にまとめました。

 

・ヴェルナッチャ ディ サンジミニャーノ

・ヴィン・サント

・多様なスタイルの白ワイン

 

それぞれ解説していきます。

 

ヴェルナッチャ ディ サンジミニャーノ

 

ヴェルナッチャ ディ サンジミニャーノは、上記でもお伝えしているようにトスカーナ唯一の白ワインのDOCGです。

サン・ジミニャーノ周辺地域のヴェルナッチャを85%以上使用することが義務づけられていますが、単一品種でつくられているものも多く見受けられます。

 

ヴェルナッチャは、リグーリアから1200年代にトスカーナにやってきたと考えられており、古くから品質の高い白ワインを生み出す品種として言い伝えられているようです。(1966年にDOC認証を受けている)

 

ヴェルナッチャ ディ サンジミニャーノの特徴は、若くしても、熟成させても魅力的なワインを生み出すところにあります。

若い頃は淡い黄金色の外観、花、柑橘のアロマがあり、フレッシュな味わい。

暑い夏場に喜ばれる白ワインといわれています。

 

一方、熟成を経ると香ばしく、ハチミツやハーブのニュアンスが際立ち、非常にリッチなワインへと変貌していきます。

ミネラル感がもたらす緊張感も、このワインに上質な印象を与えるポイントでしょう。

樽熟成をかけるものもあり、そのスタイルの幅広さも特徴といえます。

 

ヴィン・サント

 

ヴィン・サントは、トレッビアーノとマルヴァジアをブレンドした甘口ワインです。

ブドウは温暖なマットの上で乾燥させ、その後に「カラテッリ」と呼ばれる小樽で仕込まれます。

 

乾燥の度合いによってスタイルが変化しますが、基本的にハチミツやドライフルーツ、アプリコット、キャラメルなどのアロマを持つ、極上の甘口ワインへと仕上ります。

 

食前酒として使用されるほか、デザートとのペアリングがおすすめです。

また、イタリアのアーモンド風味の硬いビスコッティ「カントゥチーニ」と合わせるのが定番といわれています。

 


多様なスタイルの白ワイン

 

上記のように伝統的なトスカーナの白ワインも魅力的ですが、一方でモダンな白ワインからも目が離せません。

そもそも、トスカーナの白ワインはIGTカテゴリが多いことからも、国際品種からつくれるものが近年増加している傾向です。

 

中でもシャルドネに人気が集中しているなど、従来のトスカーナの白ワインとはまた違った魅力を楽しむことができるでしょう。

さらに、ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングなども栽培面積が増えており、土着品種とブレンドされたものを多く見かけます。

 

これらトスカーナで栽培されている国際品種は、全体的にフレッシュで爽やかな仕上がりとなる特徴があるようです。

 

また、トスカーナは、主に粘土石灰質土壌といわれていますが、何層にも土壌が重なる複雑な土壌組成を持つ産地です。

場所によってもその特徴が違うことから、同じ土着品種からつくられる白ワインであっても個性が違うところが特徴でしょう。

 

 



おすすめのトスカーナ産白ワイン

 

トスカーナの白ワインは魅力的ですが、豊富な種類が存在しているため、どれを選ぶべきか悩んでしまう方も多いはずです。

 

ここでは、おすすめのトスカーナの白ワインを紹介します。

気になったトスカーナの白がある方は、ぜひチェックしてみてください。

 

Colle Massari Irisse VementinoMontecucco18/19 コッレマッサーリ

 

トスカーナのワイナリー、コッレマッサーリ。

ガンベロ・ロッソの評価本で、年間で1ワイナリーのみが表彰される『ワイナリー・オブ・ザ・イヤー』を獲得するなど、トスカーナのみならずイタリアを代表する名門ワイナリーです。

 

そんなコッレマッサーリが醸すトスカーナの白ワインが、「イリッセモンテクッコ・ヴェルメンティーノ」。

ヴェルメンティーノにグレケットをブレンドし4000Lのオークの大樽で醸造、澱と共に14ヶ月の熟成を経て瓶詰めされています。

 

カモミールのようなフローラルな香り、ミネラル感など、フレッシュで香り豊かな味わいを楽しめる1本です。

 

La Lastra Vernaccia di SG 21 ノーマル ラ・ラストラ ヴェルナッチャ

 

「ラ・ラストラ社」は、ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ協会の元副会長でもあるオーナーのナディア・ベッティ女史と、その夫のレナートによるワイナリー。

1994年に南東部サンタ・ルチア地区に設立されたワイナリーで、所有する6haの畑のうち、ヴェルナッチャが3haを占めます。

 

「ラ・ラストラ ヴェルナッチャ」は、ヴェルナッチャ 98%、トレッビアーノ、トレッビアーノ・トスカーノ&マルヴァジア・ビアンカ 3種類で2%といた、絶妙なブレンドで仕上げられている白ワイン。

 

冷温スキンコンタクトやアルコール発酵も16℃を超えない工夫、さらに最後の瓶詰めまで温度を保ちながら酸素に触れないように熟成させるなど、徹底した品質感を経て仕上げられます。

甘い果実を彷彿とさせる滑らかな味わい、アフターはヴェルナッチャらしいレモンビターを感じます。

 

Pakravan-Papi Malvasia Toscana 20/21マルヴァジア・トスカーナ

 

チェチナから5Kmにある国立公園に隣接した標高の高い場所に位置するワイナリー、「パクラヴァンパピ」。

畑の周囲は原生林に囲まれているなど、周りからの汚染が全くない素晴らしいロケーションでブドウ栽培がおこなわれています。

 

「マルヴァジア・トスカーナ」は、マルヴァジア デル キャンティ100%でつくられる白ワイン。

キャンティやビアンコ・トスカーナのアロマを豊かにするために使用されていた品種を100%使用している、希少な1本です。

 

ステンレスタンクで6ヶ月熟成。

アカシア、アーモンド、そして仄かなシトラスのアロマを楽しめる、エレガントでしっかりとしたストラクチャーと余韻の長さが特徴のトスカーナ産白ワインです。

 

Ricasoli Torricella 19 リカゾリトッリチェッラ

 

キアンティ・クラッシコ地区の名門、「バローネ・リカーゾリ」。

伝統あるキアンティの造り手として、また現代的なテイストのスーパータスカンの造り手としても知られるリカーゾリ社が手がけるのが、「トッリチェッラ」。

 

同社唯一の白ワインであり、その品種もシャルドネ75%、ソーヴィニヨンブラン25%といったモダンなつくりです。

ステンレスとトノーで6ヶ月、さらに瓶で3から4ヶ月熟成させリリースされています。

 

濃い黄金色、ハチミツなどの豊かなブーケ。

フルーティな香りと丸い味わいの中に繊細さとミネラル感、長い余韻など、リカーゾリ社らしい品質の高さを楽しめる1本です。

 

 



まとめ

 

ワイン生産者の85%以上を赤ワインが占める、トスカーナ。

だからこそ、魅力的な白ワインとの出会いが感動を呼び起こします。

 

ぜひ、ユニークなイタリアワインをチェックしたいといった方は、トスカーナの白ワインをチョイスしてみてはいかがでしょうか。

 

きっと、お客様にも喜ばれるはずです。

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