イタリアでも人気品種!王道「カベルネ・ソーヴィニヨン」を徹底解説!
Loredan Gasparini 公式サイトから
世界で最も有名な黒ブドウ品種といっても過言ではない、カベルネ・ソーヴィニヨン。
世界中で栽培されている品種のひとつであり、イタリアでも多く栽培されています。
一方、知名度が高いだけに特徴を掴めず、漠然と接しているといった方も多いのではないでしょうか。
本記事では、あらためてカベルネ・ソーヴィニヨンの基本情報やおすすめワインを紹介していきます。
ぜひ、今後の参考にしてみてください。
カベルネ・ソーヴィニヨンの基礎
カベルネ・ソーヴィニヨンの基礎について下記にまとめました。
・カベルネ・ソーヴィニヨンとは?
・カベルネ・ソーヴィニヨンの歴史
・カベルネ・ソーヴィニヨンのDNA
それぞれ解説していきましょう。
カベルネ・ソーヴィニヨンとは?
カベルネ・ソーヴィニヨンとは、世界最大の栽培面積を誇るワイン用黒ブドウのひとつです。
「ブドウ品種の王者」とも称されるなど、素晴らしいワインを生み出す高級ブドウ品種としても知られています。
カベルネ・ソーヴィニヨンは適応能力が高いこともあり、原産とされるフランス・ボルドー地方だけでなく、イタリア、スペイン、ドイツなどのヨーロッパ圏。
さらに、アメリカやチリ、オーストラリア、南アフリカ、ニュージーランド、日本など、世界各国で栽培されているのが特徴です。
ブドウの房は円筒円錐形で、着粒疎密度は粗く、大きさは比較的小さめといった特徴があります。
晩熟タイプのブドウで、温暖かつ水はけのよい土壌を好みますが、近年はあえて冷涼な産地のカベルネ・ソーヴィニヨンが注目されている傾向です。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、よくピノ・ノワールと比較されることが多い品種ですが、比較的ブレンドしたタイプの赤ワインが多く見られます。
果実味が豊富で酸、タンニンが豊富なパワフルなワインを生み出しますが、未熟なカベルネ・ソーヴィニヨンは青い香りや荒々しさ際立つため、主にほか品種とブレンドされることが少なくありません。
そのため、産地の特徴が出やすいピノ・ノワールより、生産者のブレンド技術などで品質をカバーしやすいところも人気のひとつでしょう。
一方、温暖な地域やボルドーブレンドを取り入れていない産地や生産者は単一品種で瓶詰めしています。
カベルネ・ソーヴィニヨンの歴史
カベルネ・ソーヴィニヨンは、フランス・ボルドーの原産といわれていますが、じつは未だその起源は完全には解明されていないといわれています。
古代ローマ時代にはすでに使用されていたとか、スペインのリオハ地方由来など、さまざまな説が信じられてきたそうです。
17世紀頃は、ヴィデュールなどと呼ばれていましたが、18世紀頃にメドックで植栽された頃から、いつの間にかカベルネ・ソーヴィニヨンの名が一般的になったといった説もあります。
ちなみに、ヴィデュールは硬いブドウ樹を意味する「ヴィーニュ・デュール」が関連していると考えられているようです。
カベルネ・ソーヴィニヨンのDNA
カベルネ・ソーヴィニヨンは、カリフォルニア大学デイヴィス校によってそのDNAが特定されています。
まず、カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの子孫であること。
さらに、17世紀頃に偶発的に起こった自然交配である可能性が最も高いと示唆されています。
もともと、名前がとても似ていること、さらにカベルネ・フランの持つクロスグリのニュアンス、ソーヴィニヨン・ブランのハーブのニュアンスなどから、この二つの交配が考えられていたため、科学的にその事実を発見したといった形になるようです。
カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴
カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴を下記にまとめました。
・ワインにおけるカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴
・特筆すべき香り
・タンニンについて
・ペアリングについて
それぞれ解説していきましょう。
ワインにおけるカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴
カベルネ・ソーヴィニヨンは、非常にわかりやすい特徴を持った黒ブドウ品種です。
ブドウ品種の王道的存在であることから、ソムリエ試験などでは始めにその特徴を学ぶような存在でもあります。
まず、フランスなどで栽培されるカベルネ・ソーヴィニヨンにはこれらの特徴が見られます。
・濃いガーネット色の外観
・カシス、ハーブ、ブラックチェリー、クローブ、ナツメグ
・チョコレート、ラムレーズン、西洋杉…など
また、温暖なチリやカリフォルニアで栽培されるカベルネ・ソーヴィニヨンにはこれらの特徴が見られます。
・やや明るめのガーネット色
・黒系果実、ブルーベリー、ジャム、スパイス、若々しいベリー、ミント、すいかずら…など
カベルネ・ソーヴィニヨンは長期熟成に耐える品種であることから、褐色化したり、干し肉、コーヒー、しおれたバラ、乾燥イチジク、なめし革など、その年代によってニュアンスが変化していきます。
若々しい印象と古い印象で大きく特徴が変わってくるところも、カベルネ・ソーヴィニヨンの魅力のひとつと捉えてよいでしょう。
特筆すべき香り
カベルネ・ソーヴィニヨンを知る上で特筆すべき香りが、「メトキシピラジン」と呼ばれる香り成分です。
上記でも触れているように、冷涼な環境で栽培され、やや未熟な状態で収穫されるなどしたカベルネ・ソーヴィニヨンには、「ピーマン香」と呼ばれる、“青さ”を感じさせる香りが発生します。
これは、「メトキシピラジン類(含窒素複素環化合物)」のひとつである、「2ーメトキシー3ーイソブチルピラジン」が要因と考えられており、カベルネ・フランなどにも含まれているようです。
赤ワイン中のメトキシピラジン類
認知閾値は高いことで知られており、すぐにわかるレベルだといわれています。(そのため、カベルネ・ソーヴィニヨンはよくブレンドされるとも考えられr)
主に、ボルドーや冷涼地域のカベルネ・ソーヴィニヨンに見られますが、果皮に含まれるため成熟させること、また太陽光で現象するなど、それらを防ぐ手だてはすでにあるようです。
とはいえ、近年この「ピーマン香」をバランスよく利用することで個性が出たり、ポリフェノール量や酸度を保つ目的から、あえて残す生産者もいます。
本来、ネガティブに捉えられがちなこの香りも、バランスを意識するとポジティブに振り切れるところがワインのおもしろいところでしょう。
タンニンについて
カベルネ・ソーヴィニヨンは、タンニンの豊富な黒ブドウといわれています。
そのため、若いカベルネ・ソーヴィニヨンのワインはギシギシしている、熟成を経てまろやかになる…といった印象を持たれているようです。
ピーマン香など未熟な香りをカバーする目的もありますが、主にカベルネ・ソーヴィニヨンがほか品種とブレンドされる理由はタンニンの強さもあるとも考えられています。
事実、ボルドーではタンニンが中程度のメルローやカベルネ・フランなど、カベルネ・ソーヴィニヨンと組み合わせた上で飲みやすくしているものも少なくありません。(長期熟成を目的としているものは別)
ただし、ワインを長期熟成させるためには高い酸度か豊富なタンニン量が必要です。
まず、タンニンは、時間をかけて酸素やほか成分と結合するなどして沈殿していくため、ワインの風味がまろやかになります。
そして長期間塾生されることでワイン中の成分が変化していき、複雑性が生まれ偉大なワインとして完成するのです。
一方、近年では3年以内が飲み頃である早飲みワインも増えていたり、抽出が穏やかになっていることから、タンニンが強過ぎると感じる赤ワインは少ない傾向になりました。
あえて10年、20年以上の熟成を考えてワインを購入した場合は、ボルドーのプリムールなどをチェックされた方がよいでしょう。
ペアリングについて
カベルネ・ソーヴィニヨンのペアリングを考えた時、まず脂肪分の多い牛肉のステーキが出てきます。
カベルネ・ソーヴィニヨンにふくまれる豊富なタンニンは、脂質と結びつきやすく、ステーキを食べた後の口内をさっぱりさせてくれる効果が期待できるでしょう。
バター、オリーブオイルなど、脂肪分の多い食事にはカベルネ・ソーヴィニヨンはぴったりといえます。
また、筋肉質なワインであるため脂肪分が少ない赤身肉であっても、肉汁や噛みごたえの強さに負けることはないのでおすすめです。
ほか、スモーキーなニュアンスをいかした薫製肉、甘味を押さえたものであれば醤油を使った和食との相性もよいと考えられます。
果実味が強く出ているカベルネ・ソーヴィニヨンであれば、焼き鳥やすき焼きといった、甘辛を想起させる食事とも意外な相性を示すのでおすすめです。
イタリアにおけるカベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨンというと、フランスやワイン新興国を想起される方が多いかもしれません。
実際、これら産地ではカベルネ・ソーヴィニヨンが多く栽培されているため、そのイメージにとくに間違いはないでしょう。
しかし、じつはイタリアでもカベルネ・ソーヴィニヨンは栽培されており、地域によっては重宝されているともいわれています。
ここからは、イタリアにおけるカベルネ・ソーヴィニヨンについて解説していきましょう。
イタリアとカベルネ・ソーヴィニヨン
イタリアでは、酸味の豊富な赤ワインが多いことから、パワーのあるカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドとして利用する生産者が少なくありません。
ただし、単一品種として生産する生産者もいるなど、さまざまなカベルネ・ソーヴィニヨンワインに出会うことができます。
イタリアのカベルネ・ソーヴィニヨンは、ブラックベリーやクロスグリ、チョコレート、タバコのニュアンスが特徴といわれており、トスカーナやシチリア、ヴェネト、フリウリ、アルトアディジェが栽培面積としては多いといわれています。
Loredan Gasparini 公式サイトから
中心的な産地
上記でお伝えしたように、イタリアでもカベルネ・ソーヴィニヨンが栽培されています。
ただし、全体量からいえばまだまだ少ないのが現実です。
最大規模のトスカーナ州であっても栽培量全体のおよそ6%、ほかヴェネトやフリウリなどでも5%に満たない数字といわれています。
それでも、土着品種が数多く栽培されているイタリア・トスカーナ州で6%以上の栽培面積を誇ることは意外かもしれません。
本記事では深く触れませんが、トスカーナ州のボルゲリなどはボルドーに似たテロワールと考えられ、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローで成功を収めた産地です。
サンジョヴェーゼなどの土着品種と、これら国際品種を組み合わせた「スーパータスカン」は、イタリアきっての高級ワインとして今もなお人気を博しています。
今後、カベルネ・ソーヴィニヨンはイタリアでも栽培面積が増えていく可能性があるため、“流行ることはないだろう”と考えず、国際品種から造れるワインについてもチェックしておくべきでしょう。
イタリアのおすすめカベルネ・ソーヴィニヨン
イタリア産のおすすめカベルネ・ソーヴィニヨンを紹介していきます。
ぜひ、お店のリストに入れてみてはいかがでしょうか。
Tenuta San Guido Sassicaia 2018サッシカイア
イタリアのカベルネ・ソーヴィニヨンを語る上で欠かすことができないのが、サッシカイアです。
元祖スーパータスカンと称されるサッシカイアは、カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランのブレンドによるボルドースタイルをイタリアで大成功させた立役者。
とくにこの2018年は、最新2022年版ガンベロ・ロッソにて最高評価を獲得した1本です。
野いちごなどの爽やかな果実のアロマとハーブのニュアンス、凝縮した果実味と力強くもしなやかなタンニンが印象的で、ボルゲリらしいミネラル感も感じられます。
誰もが憧れる「イタリアワインの至宝」を、ぜひこの機会にチェックしてみてください。
Gasparini Venegazzu Cabernet 17/18 ガスパリーニ
カベルネ・ソーヴィニヨンが多く栽培されているヴェネト生まれの赤ワイン。
生産者であるロレダン・ガスパリーニは、1950年代初期からカベルネフラン、カベルネソーヴィニョン、メルロー、マルベックなど、ボルドー品種をいち早く栽培していた、イタリアワインにおけるカベソーのパイオニアです。
「Gasparini Venegazzu Cabernet」は、カベルネ・ソーヴィニヨン100%で造られており、大樽12ヶ月熟成させた充実感のある1本。
辛口で果実味とタンニンのバランスが良く取れた、フードフレンドリーな仕上がりとなっています。
Tonon CAMUL Cabernet Sauvignon 15/16トノン カムル カベルネ・ソーヴィニヨン
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリアで造られる、こだわりのカベルネ・ソーヴィニヨン「Tonon CAMUL Cabernet Sauvignon」。
トノンは、ピエトロ・トノンによってヴェネトの小さな町ヴィットリオ・ヴェネトに設立されたワイナリーで、海外市場での評価が高い生産者として知られています。
スラ
ヴォ二アンオーク樽で18-24ヶ月間熟成後、6-8ヶ月間の瓶熟成された同ワインは、豊潤なスパイスの香りと、ほんのりハーブの香りが特徴。
30分前に開栓し、デキャンティングするのがおすすめです。
まとめ
世界中のワイン産地はもちろん、イタリアにとっても、カベルネ・ソーヴィニヨンは重要な黒ブドウ品種です。
そのため、イタリア国内でも品質の高いカベルネ・ソーヴィニヨンが数多く見られるようになりました。
ぜひ、これを機会にあらためてカベルネ・ソーヴィニヨンを飲み直し、その価値を再発見してみてはいかがでしょうか。
Loredan Gasparini 公式サイトから
- 【商品コード】14214
【限定】Tenuta San Guido Sassicaia 2020 テヌータサングイドサッシカイア
商品備考1 | 商品コード:14214 |
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商品備考2 | 数量限定60本入荷 |
- 【商品コード】99342
Tonon Cabernet Sauvignon Venezia DOC 4月納品分より2674円
商品備考1 | 商品コード:99342 |
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商品備考2 | 16/19 トノンカベルネソーヴィニヨンヴェネツィア |