ソアヴェの町とピエロパンのワイナリーを訪問しました。

ソアヴェの町とピエロパンのワイナリーを訪問しました。

 

 

ヴェネト州ヴェローナ駅から車で約20分の距離にあるソアヴェ。

本場のワインと壮大な景色を堪能できる小さな町で、白ワインの「ソアヴェ」、赤ワインの「アマローネ」などが造られています。

 

ぶどう畑に、みずみずしい緑の葉が広がる大自然の中に、 ワイン作りに深い情熱と愛情を注ぐファミリー、「Pieropan ピエロパン」のワイナリーがあります。

 

 

 

ソアヴェの町


ソアヴェは人口約7100人の小さな町。

イタリアの最大ワイン展示会「VINITALYヴィニタリー」が開催されるヴェローナから近く、ワイン造りで有名な町です。

 

町の中心には約10世紀に建てられたソアヴェ城があり、城を登るとソアヴェのぶどう畑の素晴らしい風景が一面に見渡せます。

 

世界を代表するソアヴェワインを製造している町のメイン通りには、ワイナリーやワインバーが立ち並び、ランチタイムからすでにワインやカクテルを片手に食事を楽しんでいる住民がいます。

 

 

 

丘の真ん中に佇むワイナリー「ピエロパン」


ピエロパンは、ソアヴェの町にあるメイン通りにオリジナル店舗があります。

今回、見学に伺った場所はメイン通りから歩いて10分ほどの距離にある、ぶどう畑の丘に囲まれたワイナリー。壮大な大自然の中にひっそりとスタイリッシュな建物が佇んでいます。2021年にニューオープンし、外観は近代的でありながら、温かいぬくもり漂う空間。

 

  

メイン通りにあるヘッドクオーターの歴史


ソアヴェのメイン通りにあるピエロパン本社のある建物「パラッツォ・プリチ Palazzo Pullici」は、2世紀以上にわたってピエロパン家の自宅とされていました。

 

現在は歴史的な建物になっており、その歴史は15世紀にまでさかのぼります。

1980年代の終わりに改装され、ピエロパン家が約250年間住んでいたパラッツォ・プリチは、インスピレーションの場所であり、ピエロパンの重要な中心地とされています。

 

 

 

ピエロパンの歴史


現在4代目のワイナリー、原点は1890年。

情熱を持ってワイン事業を始めたのは、この町の医師だったレオニルド。

家族の資金を最大限に活用してワイナリーをスタート。そして、2人の息子グスタボとファウストが、父親の事業を続けました。

 

1970年、彼の孫である大家族唯一の子孫であるレオニルドは、ワイン醸造学とブドウ栽培の研究していました。

そして、ぶどう栽培に最も適した地域で新しいぶどう園をはじめ、セラーに新しい技術を取り入れました。

彼は探究心が強く、ワインの旅に出て、世界のワイン生産地域と自分のワインを比較し高品質のワインを造り上げました。

その結果、数年で国内および国際市場へ大量にワインを出荷します。

 

土地への愛情と伝統の価値は、新しい世代にも受け継がれています。

レオニルドの息子、アンドレアとダリオが現在の4世代目代表。農業とワイン醸造学を学び、2018年に父親を失った後、新しい環境の中で、父がたどった道を引き継ぎ歩み続けます。

 

 

 

 

こだわりのぶどうは無農薬、そして手作業でぶどうの収穫


 丘一面に広がるぶどうは全て手作業で収穫されています。

手作業の理由は、長年のプロフェッショナルでないと、一つ一つどのぶどうの実が良いか、どの長さでぶどうの房を切ったら良いかなど 、職人の技がないとパーフェクトなワイン造りができないとのこと。

ぶどうの収穫後は 、さらにぶどうを一粒一粒確認し、良くない実はその都度手で取り外しています。そのため、最高にクオリティーが良いものだけが厳選されワインになります。

 

ピエロパンのぶどうは、全て無農薬。その証拠に木の下に草が生え、野の花が咲いています。

この説明を受けてから、ぶどう畑を見つけるたびに、確認すると農薬を使っている畑には、木の下には草がなく土が見えています。

 

ソアヴェの町中にあるぶどう畑は、緑で埋め尽くされていて農薬を使用していないことがわかります。

5月に訪問した際は、ぶどうの木に葉っぱが生え始めていました。8月ごろには、ぶどうが実り始めます。

 

 

 


ワインの醸造に捧げられたさまざまな部屋の見学


 特別な構造建築は細部にまでこだわりがあり、部屋ごとにワイナリーと思えないほど美しく洗練された空間となっています。ワイン造りの工程をシンプルに説明されながら見学していきます。

 

醸造ルーム、熟成ルーム・そして「レオニルドの金庫」と呼ばれるワインセラー

 

 

はじめに、手作業で厳選されたぶどうを専用の巨大な機械で圧搾しぶどうの果汁を取り出します。

 

その後、タンクに入れ発酵させていきます。

温度管理が必要なため、室内は冬用のジャケットが必要なほど冷房が効いています。

ワインの種類により発酵時間は異なりますが、1ヶ月かけて毎日数十種類のワインの発酵具合をテイスティングしていきます。

 

発酵が終わると、ワインを樽に移し熟成。

ワインにより異なる部屋が用意されています。

最大で4年ほど熟成し、厳重な管理のもと確認され問題なければ瓶に詰められ出荷されます。

 

※赤ワインと白ワインでは、造り方が異なり圧搾タイミングなど細かい作業が異なりますが、基本的な流れを記載しています。

 

 

樽の並ぶ幻想的な美しいセラー

 

スタイリッシュなセラーには奥まで並ぶ熟成樽。

3代目経営者が愛情を持っていた場所とのこと。

この場には先代ピエロパンのメッセージが大きく記載されています。

 

"Il futuro ha un cuore antico”

 

The future has an ancient heart.ここで行っているワイン造りが未来の歴史にも引き継がれる。伝統、歴史を大事にしている気持ちが伝わります。

こだわりのセラーはセンスが良いだけでなく、美しい情熱が詰まっている空間。

 

 

幻想的なセラーを見学した後は、歴代のワインが並ぶワインセラーへ。

下から上まで壮大に並ぶワイン。新作からビンテージまで肌寒い室温を保って大事に保管されています。

中には何十年もの時が経っている印、ワインの瓶についているほこりも深い味わいを表しています。

 

 

 

ピエロパン家の最高級ワインの試飲

 

イタリアワインの最高峰をテイスティング

 

Soave Classico

ピエロパン家が20世紀初頭から市場に提供してきた「ソアヴェ・クラシコ」

新鮮で若い味わいは、フルーティーで心地よい。

伝統的な品種、ガルガーネガとトレビアーノ・ディ・ソアーヴェからのみ生産されています。

 

Cru of Soave Classico La Rocca DOC

ラ・ロッカのブドウ園は丘の上にあります。

ブーケフレーバーと深い味わいを備えたワイン。

1978年のデビュー以来、品質の良さがシンボルに。

 

Amarone della Valpolicella Vigna Garzon DOCG

アマローネは時間をかけて酒造する、リッチでコクのある味わい。

アマローネ造りは、ピエロパンにとって新たな挑戦でした。そして、エレガントで上質なワインが実現。

 

Ghes Rosè from Corvina grapes

若々しい繊細さを捉えるぶどう品種コルビナからスパークリング・ロゼを作りたいと考え生まれたワイン。

Ghesという名前はギリシャ語の「地球から」に由来し、家族が大切にする土地との密接な関係を示しています。

 

 

 

サステナビリティーにも力を入れる


サステナブルの取り組み、ワイナリー内で使用する水はリユースの水。

提供されたトレイやカップは全てペーパー。

 

コルクはリサイクルプラスティックのものを使用。

そのため、数年DOCとラベルに記載されなくなるが、ワインの品質に変わりなく、企業のブランディングよりサステナビリティーを最優先した経営者の環境への熱心な思いも伝わりました。

 

 

 

ソアヴェのワイナリーツアーを是非皆様も


 自然豊かなイタリアの風景も楽しめる場所で、ワインの魅力、造り手の思い、品質、プロセスを学ぶことができます。

 中世の穏やかな空気が漂う町、城を囲む丘には見渡す限りぶどう畑が広がり息を呑む美しさ。そこで、世界で愛されている素晴らしいワインが造られています。

 

もしヴェローナへ行く機会がありましたら、少し足を運んでソアヴェにも是非訪問してください。ソアヴェは、歴史・美食・ワイン・イタリアの全てを楽しむ旅になります。

 

ワイナリー見学はこちらから https://www.pieropan.it/en/wine-experience/winery-tours-and-tastings


 

 

 

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