【後半】イタリアワインの伝道師が登場!永瀬喜洋さん×亀屋食品のコラボ記念インタビュー!


【後半】イタリアワインの伝道師が登場!永瀬喜洋さん×亀屋食品のコラボ記念インタビュー!

 

 【前半はこちらから】

 

後半では、永瀬さんが飲食店向けに考案したワインペアリングの一例と今後の取り組みについてお伝えしていきます。

 


永瀬さん選定のイタリアワインについて


今回のインタビューでは、特別に永瀬さんがコンサルティングする飲食店(焼鳥)でペアリング用に提供する亀屋食品取り扱いのイタリアワインをご用意いただきました。

 

永瀬さんらしい、ユニークなワインの選定方法について聞きました。

 

今回用意したワイン

  • Poggio Scalette Chianti Classico DOCG 2018
  • ロゼ〈Maria pia Bardolino Chiaretto Classico DOC 2019
  • 白〈Lunelli Villa Margon DOC 2020

 


永瀬「今回、5種類のワインペアリングの中で番目と最後の番目は事前に決めていたので、234番目のものを用意しました。ワインペアリングを考える際、この料理にはこのワインでなければならないといった方が多いのですが、イタリアワインの魅力は幅広いペアリングが楽しめるところにあります。ただし、何でもよいわけではなく、私はそこにストーリーを取り入れることを大切にしています。今回の3種類のチョイスも、そういった部分をイメージして選びました。」

 

Poggio Scalette Chianti Classico DOCG 2018〉について

 

永瀬「ワインボトルのラベルに雄鶏がデザインされていますが、今回は焼鳥屋ですので僕がカウンターに立っていたらこれを使いたいですね。まず、焼鳥屋に訪れるお客さまが全員ワインに詳しいわけではありません。まず、こういったところで話のネタにしてもらいたいといった思いがあります。提供される予定の料理は大将の想いが詰め込まれたせせりのタレなので、弾力のあるものにサンジョヴェーゼを合わせていくといった発想です。ただし、最初がスパークリングワインで先付けの終わった後の状況なので、重た過ぎるものは避け、いろいろある中で華やかで上質なキャンティクラシコをチョイスしています。」

 

Maria pia Bardolino Chiaretto Classico DOC 2019〉について

 

永瀬「料理の流れとして、ここで中休み的に野菜の炊いたものが提供されます。私としてはそこに強いワインは要らず、中間的なニュアンスのロゼやオレンジワインをイメージしました。そんな中、今回は亀屋食品さんの取り扱いワインの中で最も適していると思えた〈Bardolino Chiaretto Classico〉をチョイスしています。野菜に出汁が染みているものを食べる時間は、ホッとしたい時ですよね。そのため、派手過ぎず、しかしトーンを下げ過ぎないワインが必要です。華やかさがありながら穏やかさも感じられるロゼが欲しかったため、こちらを選びました。」

 

Lunelli Villa Margon DOC 2020〉について

 

永瀬「このお店は、最後はお客様の選択に委ねている流れで料理が提供されることから、4番目のここがクライマックスになります。ここでは、あえて白を使いました。焼鳥屋の場所が銀座であることから、ピノやシャルドネといったブルゴーニュがお好きなお客様がいらっしゃることが想定できます。しかし、ブルゴーニュを伝える感覚ではなく、あえて樽がかかっているイタリアのシャルドネを提供。赤では重た過ぎますし、軽快な白だと物足りない。〈Lunelli Villa Margon〉を提供することで、イタリアにも良いものがあることを、ここで知ってもらいたいと思っています。」

 

一般的なペアリングの流れであれば、白、ロゼ、赤と続きそうですが、その裏をついてくるユニークなペアリング。

 

永瀬さんらしい、提案だと感じました。

 


アドバイザーとしての仕事について


 Q.亀屋食品株式会社は、もっとワイン業界に貢献したい、もっとイタリアワインを知ってもらいたいといった思いから、永瀬喜洋さんにコラボレーションをお願いしました。このオファーはどのように感じられたでしょうか。

 

永瀬「正直、とても嬉しかったですね。私が地方を回ると必ず亀屋食品さんの名前が出てきますし、実際に購入しているといった声も多く聞きます。私も地方出身者だからよくわかるのですが、東京だけでなく、地方でこれだけ品質の高いイタリアワインや食材を手軽に入手できるプラットフォームがあることは素晴らしいことではないでしょうか。私自身、亀屋食品さんでやりたいことが山ほどあるので、依頼された以上のことをしたいと逆オファーしてしまったほどです。」

 

Q.それをお聞きしてほっとしました。ありがとうございます。

 

永瀬「亀屋食品さんは、小規模なオーナーシェフのお客様が多いと聞いています。そもそも地方のオーナーシェフはワインはわからないからということで、広告力のある企業のおすすめワインなどを揃えている場合が多いんです。そんな中、亀屋食品さんは専門商社であり、細かい部分をしっかりと整えることができれば、そういったオーナーシェフたちがより良いものを仕入れることができると考えています。日本全国のイタリアンのお店が変わるといっても過言ではないでしょう。」

 

Q.おっしゃる通り、弊社は小規模のオーナーシェフ様が多い傾向です。料理は作れてもワインは選ぶのが難しいといった声は地方であればとくに多く感じます。このくらいの金額で美味しいのを選んでくださいといわれることも多いので、たまに自由に選んでしまっても大丈夫なのか不安になることもありますね。

 

永瀬「多くの取引先がある場合、一店舗ずつ対応するのは難しいかもしれません。しかし、品種や地方だけでなく、樽がかかっている・かかっていないなど、詳細な情報からそのお店の色を出す提案はできるはずです。例えば、これから間違いなくAI技術が発達していくため、情報を持っている人のデータをどんどん蓄積していくことが求められます。まず、WEB上で私が情報をどんどん発信していき、その引き出しづくりを1年かけてやっていきたいですね。そしてある段階でコンシェルジュとなり、料理との合わせ方も教えられるレベルに持っていきたい。亀屋に相談すれば必ず解決するといったところまでもっていきたいです。」

 


Q.情報をどんどん蓄積していくといくことで、新しい道が開けるのですね。

 

永瀬「イタリアで学んだことのひとつが、イタリアには酒販店がほとんどないことです。ソムリエがワイナリーに直接電話してワインを仕入れたり、もっと進むとレストランからワイナリーに、こういったものを造ってくれなど要望を自由に伝えます。まず、亀屋食品さんでも現場の人が主導するワインといったものを売りたいです。例えば、インポーターの多くは珍しいワインを探してきて、それを現場は珍しがって買うだけ。食べるものが美味しくなるワインやサービスが置き去りになってしまっています。それは現場にいる私だからわかることで、現場主導のワインをインポーターに伝える、日本になければ自分で輸入することも視野に発信していくことも重要だと考えます。さらに、そのワインの情報を正しく伝えるだけでなく使い方も伝えた上で、魅力的な価格で提供する。全国各地のレストランが亀屋食品のWEBサイトを見て真似してレベルアップすることは、その店舗の実力になります。そういったアイデアもWEBサイトにどんどん詰め込んでいきたいですね。」

 

Q.私たちから見て、まだまだワインは身近になっていないと感じる部分があります。気軽にそういったことをECサイトで伝えていきたいのですが、それについてはどのようなことを考えていますでしょうか。

 

永瀬「答えは一つで、とにかく美味しいワインを紹介することです。多くの若い方は安価で売られている商業ベースのワインしか知らず、ワインに対して美味しいと思えた経験がありません。ワインを飲むことに対して成功体験がない。800円のソアヴェであっても、全然クオリティが違うといったことに気づいてもらうことが重要であり、そういったワインを揃えることが大前提だと思っています。以前、自分の仕事関係の子をイタリアに連れて行ったら、空港でワインが嫌いと言われました。しかし、一緒にイタリアで過ごし1週間後にはワインが好きになったと言ってくれました。とにかく、美味しいワインと出会う体験をしてもらう必要があると思います。世界的にフランスワインの値上がりも続いていて、今までフランスワインを飲んでいた方たちもイタリアワインを飲むようになればイタリアワインブームがまたやってくるでしょうし、それに備えて最高のWEBサイトに仕上げたい。そして、ワインを買いたくなるようなホームページを作り、全国の人が亀屋さんでイタリアワインを購入することでワインを美味しいと思えるようにしていく。これもまた、12年の間の課題として対応していきたい事案ですね。」

 

 

最後に

 

これから永瀬喜洋さんと亀屋食品株式会社とのコラボが始まります。

 

飲食店の皆様に少しでも、興味を持ってもらえるような、ためになるような、貢献できるような、ワインや食材の情報を永瀬さんと共に全力で伝えていきたいと思います。

 

ぜひ楽しみにしていてください。

 

(当社ワイン主任:佐藤信也/永瀬喜洋氏/当社営業部長:田村智大)