バーカロの小皿料理チケッティと地元ワイン
バーカロの小皿料理チケッティと地元ワイン
スペインにはタパスとワインを楽しむ文化、つまり「バル」があることはご存知の方も多いと思います。
そしてイタリアにも同様の文化、それがヴェネツィアの【バーカロ】です。
これをお店に取り入れて、集客と売上のアップに繋げてみませんか?
そこで今回は、ヴェネツィアっ子の心の拠り所バーカロと、そこで出されるチケッティ、地元ワインとのペアリングを紹介していきたいと思います。
バーカロとは?
「バーカロ」とは一言でいうと、ヴェネツィアの立飲み居酒屋のことです。
イタリアで立飲み形式、というとバールをイメージされる方も多いと思いますが、バーカロは少しスタイルが異なります。
バールはエスプレッソなどのカフェや軽食を摂る場所とされる一方、バーカロでは基本的には食事とともにワインを楽しむ場所とされているようです。
ヴェネツィアに行ったことがある方は、道が迷路のように入り組んでいるのをご存知だと思います。
バーカロはその狭い路地を通る度に現れて、ヴェネツィア以外の都市では見ることがないにも関わらず、その数は100近くあるそうです。
バーカロは、地元ヴェネツィアっ子で一日中盛況です。
朝から船乗りや漁師、あるいは職人たちが仕事前にワインを一杯引っ掛け、パニーニなどの軽い朝食を摂っていきます。
1杯のワインやおつまみが1ユーロ前後とお手軽で、その気軽さと店それぞれの店主の個性がバーカロ人気の一つのようです。
昼時もランチを食べに来る近所のマダムや店主などで賑わいます。
ですがバーカロが一番盛り上がるのは、やはり夜です。
日常的な世間話はもとより、芸術や政治の議論あり、また歌を唄い、詩や劇の台詞を語るものもいれば、カードなどのゲームに興じるテーブルもあるようです。
彼らが楽しむのはワインばかりではなく、むしろそこで出会う友人たちとの歓談が目的のようです。
友人とばったり出会ったりした時など、気軽に誘い合いしばし歓談する、それがバーカロでの日常です。
バーカロでのワインのおつまみは?
ただバーカロの醍醐味は、ヴェネツィアの伝統的な小皿料理をカウンターで軽くつまみ、「オンブラ」と呼ばれるハウスワインを1〜2杯楽しんだら、次の店へと移動する、いわゆるハシゴ酒を楽しむことです。
このヴェネツィアの伝統的な小皿料理のことを「チケッティ」と呼び、ヴェネツィア名物の魚介類を中心に、カナッペ状や楊枝に刺したもの、小皿に盛られたものなど様々あります。
実はこのチケッティは、ヴェネツィアの伝統料理が多いのですが、私たちにも意外と身近な材料で作れるものもありそうです。
それでは、バーカロで出されるチケッティがどのようなものなのか、そしてどんなワインを合わせるのかを具体的に見ていきましょう。
ワインについては、バーカロでヴェネツィアっ子が日頃愛飲しているのは、もちろん地元ヴェネト州やその近隣の州で生産されたものです。
ヴェネト州のワインは、スパークリングワインのプロセッコ、ソアーヴェ、そしてアマローネなどは世界的にも有名ですが、ヴェネツィア現地に行けばヴェネト産を始め、近隣のフリウリ産やトレンティーノ産の地元ワインが必ず置いてあります。
古くからヴェネツィアっ子もこれらを愛飲してきました。
このようなワインは地元品種で造られることも多く、なかなかお目にかかる機会も少ないです。
ただ世界的なワインの流行を見ると、あまり聞き馴染みのない各地のブドウ品種を使ったワインの人気も高くなっています。
そういったワインも取り入れていくことで、他のお店にはない名物にすることも試みてはいかがでしょうか。
バッカラ・マンテカートbaccala mantecato alla veneziana
水で戻して塩抜きした干しダラを、水と牛乳で煮こんだ後、オリーブ油と共にペースト状にした料理です。
伝統的には干しダラを使いますが、生のタラで作ることもできます。
作ってすぐよりも、一晩置いた方が味が馴染みます。
カリカリに焼いた薄切りのバゲットにのせて食べるのがオススメです。
【商品コード】99404
I Prandi Gianni Tessari Soave 20ジャニテッサリーソアヴェ
バッカラ・マンテカートは、すっきりした白ワインやスパークリングワインのお供として最適なので、ここは定番であるソアーヴェをオススメしたいです。
柑橘系フルーツのような爽やかな香りと、酸味とフレッシュな果実味のバランスがいいワインで、ソアーヴェのフレッシュな酸が口の中に残るタラの風味をリフレッシュしてくれます。
サルデ・イン・サオール sarde in saor
天ぷらのような衣をつけて揚げたイワシを、炒めた玉ねぎ、レーズン、松の実とともに甘酢に漬けたマリネです。
日本の南蛮漬けにも少し似ています。
玉ねぎの甘味と甘酢の酸味が効いた、ヴェネツィアの郷土料理です。
Chiaropuro Bianco Veronese
IGT20Rocca Sveva ロッカスヴェーヴァ
合わせるワインとしては、やはり白ワインかスパークリングワインですが、ここはヴェネト州産のワインを合わせた方がより雰囲気が出るのではないでしょうか。
この白ワインは、地場品種のインクローチョ・マンゾーニ、ガルガーネガなどを使い、アプリコットやメロン、セージやライムのようなニュアンスの香りを持ち、バランスのある味わいに仕上がっています。
レバーのヴェネツィア風 fegato alla veneziana
炒めた玉ねぎとレバーを煮込んだ料理で、イタリアでのレバーの代表的な料理の一つです。
豚のレバーで作るのがヴェネツィアの伝統的なレシピで、玉ねぎの甘味のあるソースがレバーの風味とよく合います。
【商品コード】18727
Cielo e Terra Baccolo Rosso 19 バッコロロッソ
レバーの風味と合わせるので、ワインも味わいのしっかりしたものにしたいですね。
アパッシメント(陰干し)したブドウを使い、味わいを凝縮させています。
香りにはブラックベリーやカシスのコンポート、干しプルーンやスパイシーなニュアンスもあります。
豊かなフルーツの風味に加えて、酸味が全体の味わいを引き締めています。
肉団子 polpetto
「肉団子が名物料理?!」と意外な気もするかもしれませんが、実はチケッティでは定番の一つです。
小さく作ったハンバーグのトマトソース煮で、平らにして油で揚げたものもあります。
【商品コード】45013
Valpolicella Superiore DOC17Rocca
Sveva ロッカスヴェーヴァ
赤ワインならなんでも合わせられますが、やはりここも雰囲気造りのために、ヴェネツィアの空気を演出したいですね。
使われているブドウは、地場品種のコルヴィーナ、コルヴィノーネ、ロンディネッラです。
濃厚で赤いベリーとブラックチェリーのようなフルーツの風味が感じられます。
味わいにも凝縮感があり、タンニン分はエレガントで味わいのバランスが取れた赤ワインです。
今回はイタリアでも一風変わったバーカロの文化と、そこで楽しまれる郷土料理と地元ワインを紹介させて頂きました。
トラットリアやバールとはまた一味違ったこの文化は、地方色豊かなイタリアの奥深さを感じさせてくれますね。
そこで提供されるチケッティは気軽にお店名物の味が楽しめるおつまみで、それをハウスワインと一緒に、お店の雰囲気を楽しむ人が多いようです。
あなたのお店でも気軽な名物料理とハウスワインを用意して、お客様をもてなしてみてはいかがでしょうか?
以上